【考察】Mrs. GREEN APPLE 10周年ライブ「FJORD」の騒音問題について真剣に考察してみる。
2025年7月26日・27日の2日間、Mrs. GREEN APPLEが横浜・山下ふ頭で開催した「MGA MAGICAL 10YEARS ANNIVERSARY LIVE〜FJORD」。10周年を祝う特別なライブでしたが、開催後、周辺地域への音漏れがTwitterなどで話題となっている。
今回は、この音漏れ問題について、できるだけ客観的かつ冷静に考えてみたいと思います。
・音漏れはなぜ起きたのか?
主催者によると、ライブは海側に向けてステージと客席を設置し、街側への音の広がりを抑えるように設計されていました。また、事前には音響のシミュレーションも行われ、会場後方で音が自然に減衰するように配慮されていたとのことです。
しかし、当日の風向きが想定と異なっていたため、音が風に乗って予想以上に広範囲に拡散し、10km以上離れた場所でも音が聞こえていたという報告があったそうです。
・風向きが音の聞こえ方にどれほど影響を与えるのかについて考察する
これは誰もが知っていると思いますが、音は空気の振動によって伝わります。そのため、風向きや風速が変わると音の伝わり方も変わります。
風下(風が吹いていく方向)では、音は風に乗ってより遠くまで届きやすくなります。 一方、風上(風が吹いてくる方向)では、風が音の進行を妨げるため、音が届きにくくなる傾向があります。
つまり、同じ音量・同じ会場設計でも、風向きが変わるだけで、音の到達距離や聞こえ方が大きく変化するのです。
・具体的にどれくらい違いが出るのか?
音響の研究によると、風速や気温によって音の到達距離は1.5倍〜2倍程度変化することがあります。たとえば、無風または風上の場合 音は徐々に減衰して、2〜3km程度までしか届かないかも知れません。しかし、強めの風が風下に吹いている場合、音が10km以上離れた場所でもはっきり聞こえることがあると考えられます。
・なぜ低音だけが聞こえたのか? についても考察してみる。
10km以上離れた場所でも「音が聞こえた」との報告がある。その中でも特に興味深いのが、
遠くでは低音の“ドンドン”という音だけが聞こえていた」という声です。
今回は、この「低音だけが聞こえる現象」についても、音の性質をもとに考えてみたいと思います。
・音の「高さ」で届く距離が違う?
音は、周波数(音の高さ)によって空気中を伝わる性質が異なります。
高音(周波数が高い音)は空気中で散りやすく、距離が離れると早く減衰します。一方、低音(周波数が低い音)は波長が長く、空気や地面、水面などを伝って遠くまで届きやすいのです。そのため、ライブ会場から離れた場所では、メロディや歌声(高音)は聞こえなくなっても、ドラムのバスや重低音だけが響いていたと考えられます。
地形や建物の影響もあると思います。都市部では建物が高く密集しているため、高音は建物に吸収されたり反射されたりして届きにくくなります。
一方で、低音は建物の間をすり抜けたり、壁や地面を振動として伝わったりすることがあります。そのため、低音だけが響いてくるように感じたと考えられます。
・低音は、耳で聞こえるだけではなく体で感じることも。
さらに低音は、音として聞こえるだけでなく、振動として認識されることもあります。
そのため、実際の音量が大きくなくても、心理的には強く感じやすいのが低音の特徴でもあります。
・野外ライブならではの難しさ
野外ライブでは、天候や風の影響を完全に予測・コントロールすることは難しい面があります。特に山下ふ頭のような港に面した開放的なロケーションでは、風によって音が遠くまで届きやすくなります。
水面や空気の状態によっても音の伝わり方が変わるため、たとえ事前に綿密な計画が立てられていても、自然環境が大きな影響を及ぼすことがあるのです。これは不可抗力と言えるでしょう。
・まとめ
Mrs. GREEN APPLEにとって10周年という大きな節目を迎えた今回のライブ。
多くのファンにとって、忘れられない特別な時間になったのではないでしょうか。
一方で、開催後には周辺地域への音の広がりが話題となり、さまざまな意見が出ています。
ただ、野外イベントでは天候や風向きといった自然環境の影響を完全に予測することは難しいのが実情です。
今回も、主催側が事前に音響のシミュレーションなどの対策を行っていた中で、当日の風向きが想定外だったことが、音の拡散に大きく影響したと考えられます。
こうした背景を踏まえると、今回の出来事は不可抗力的な側面があったとも言えるでしょう。
Mrs. GREEN APPLEや運営側を一方的に責めるのではなく、今後どのように改善していくか、前向きに考えることが大切だと感じます。Mrs. GREEN APPLEに対するバッシングや批判はやめましょう。
最後に
今後のMrs. GREEN APPLEのさらなるご活躍を心より応援しています。
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